キャッシュフローを最大化させる「減価償却」
今回は、「減価償却」について書いていきます。
減価償却を上手に活用すると、税引き後キャッシュフローが最大化します。
ではそもそも、減価償却とはなんでしょう。
教科書的な考え方としては、
・毎年減価償却費として経費化することで、過去の投資資金を回収している
といった感じでしょうか。
あまりピンとこない方もいらっしゃると思います。
不動産投資家としては、このような考え方ではなく、別のとらえ方をしたほうがイメージがわきやすいです。
私は減価償却を次のようにとらえています。
【自分の財布からお金は出ていかないけれど、国や市区町村は、経費としてお金が出ていったものとみなしてくれるもの】
実務上も、お金は一円も支払っていないのに、確定申告(決算)で締めるときに、大きな金額を減価償却費として経費計上します。
一括で支払ったといっても、不動産投資の場合、多くは借入をしており(つまり他人のお金)自分自身のお金はそれほど多くは払っていません。
不動産投資(不動産貸付業)では、様々な経費が掛かりますが、帳簿上の一番大きな経費は減価償却費でもあります。
減価償却を多くとることができれば、不動産所得を圧縮できるということです。
先の通り、減価償却費は実際にはお金は出ていきませんので、手残りキャッシュが増えるということです。
簡単にまとめると、「減価償却費という実際にはお金の出ていかない経費(損金)を活用することで、合法的に手元にお金を残すことができます」ということです。
減価償却を上手く活用するには?
では、減価償却を多く取るにはどのようにすればよろしいのでしょうか。
先に結論を申し上げると、単年あたりの減価償却が多く取れる物件を購入すればよいということです。具体的には中古の木造や軽量鉄骨造の物件となります。
収益物件流通市場で、築20年を超えた物件が多く供給されています。
そのような物件は減価償却が短期間で取れます。
例えば築22年を超えた木造アパートの場合、減価償却期間は4年となります。
ただ、償却期間が短くても償却金額が少なければあまり意味がありません。
減価償却資産である建物の金額が大きければよいということです。
一般的には固定資産税評価額の割合で、土地建物の比率を決めるようですが、工夫をすることで多く償却できるようになります。
また、実際に購入しようとしても、木造の場合は融資付けが難しい傾向があるので、実際に購入に向けて取り組まれる方は少ないようです。
ここはノウハウが必要となりますので、実績のある不動産会社やすでにルートのある金融機関などに相談されるとよいと思います。
私の方でもお客様のご属性やご所有不動産の状況に応じで、総合的にご提案するようにしております。
まとめ
今回は減価償却についてざっくりと解説してきました。まとめると、お金の残る物件とは減価償却費の多く取れる物件ということです。
ただし、減価償却のことばかりに注視して、物件の購入を進めていくと、売却をする時に税金が多くなって返ってきます。
また別の機会で解説しますが、売却ありきの戦略の場合、保有期間中の減価償却で節税した分は、将来売却したときに支払う税金へと繰延している状態になるのです。
ざっくりと減価償却の概要だけ理解してもらえたら嬉しいです。
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